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肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

01韓国カルチャーに夢中

肌で感じた韓国カルチャーの
パワーの源とは?
留学で学んだこと

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K-POP、韓国ドラマ、映画、小説、ファッション、コスメ、グルメ……。勢いのあるコンテンツが次々と生み出され、その強いパワーに多くの人が引き寄せられている韓国カルチャー。そんな韓国への留学に憧れを抱く人も多いのでは? 今回は実際に韓国留学を経験した多文化コミュニケーション学科4年生の前田さんと、留学生をサポートする国際交流課スタッフの松井さんにお話をうかがいました。韓国留学でリアルな実体験を通して気づき、学んだこととは?

きっかけは韓国ドラマ。
韓国の人ってどんな人なのかな?
興味が湧いた

前田さんはそもそも、どうして韓国に興味をもったんですか?

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと
前田香奈さん(文学部 多文化コミュニケーション学科※ 4年生)。甲南女子大学の認定留学制度を利用し、2019年の8月から半年間、ソウルに留学。
※現 国際学部 多文化コミュニケーション学科

前田さん『イケメンラーメン店』という韓国ドラマにハマったことがきっかけですね(笑)。ドラマの中で韓国の人は感情表現がとっても豊かで、日本人の感覚と全然違うなと思うことがたくさんあったんです。ドラマだから特別なのか、それとも韓国の人ってみんなこうなのかな? というのがすごく気になって。それと私は韓国料理がめちゃくちゃ好きだったんで、食文化にも興味が湧いて、韓国のことがどんどん好きになっていきました。

留学をしたいと思ったのはどうしてですか?

前田さん興味が深まるにつれ、実際に現地に行って、韓国の文化を肌で感じたいと思うようになりました。それと大学で韓国語の授業は受けていたんですが、実際にコミュニケーションを取れるほどではなくて。韓国語でしか会話ができない状況で、スキルをしっかり身につけたいと思うようになりました。

松井さん、前田さんのように韓国カルチャーへの興味がきっかけで留学を志望される学生さんは増えているんですか?

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松井さん(国際交流課)。留学中の在学生とのコミュニケーションや危機管理、現地スタッフとの連携、留学前後の在学生へのサポートなどを行っています。

松井さん2002年に韓国への留学プログラムが始まった当初から人気はあったのですが、近年さらに高まっていますね。志望動機がK-POPやコスメ、食べ物に興味があるからという人が増えました。日本料理より韓国料理が自分の口に合うから! なんて子もいましたね(笑)。

学問を学びたい……みたいな動機じゃなくても大丈夫なんですね。

松井さんある意味単純な動機とも言えますが、きっかけはなんであれ、好きという気持ちが学びの原動力になるのは良いことだと思っています。実際に留学から帰ってきたら、現地の友達もできたり、いろんな影響を受けて、勉強への意欲がすごく高まっている子が多いです。

甲南女子大学では、どのような留学ができるのでしょうか?

松井さん春休みや夏休みの2〜3週間を利用して行く短期留学には、海外演習やインターンシップなどがあります。また、半年から1年間の長期留学には、現地大学で正規授業を受講する交換留学と大学付属のランゲージセンターで語学を中心に学ぶ認定留学があります。留学先で取得した単位を本学の単位として認定するので、休学なしで行くことができ4年間で卒業できますし、学内の奨学金制度も利用できるのが魅力です。前田さんもこの認定留学制度を利用して韓国に留学しましたね。語学力はもちろんのこと、コミュニケーション力や課題解決力なども身に着けることを目標にしています。

初日からプチパニックに。
自分でなんとかしなくては!
と積極的になれた

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

実際に行ってみて、戸惑いなどはありませんでしたか?

前田さん旅行で何度も行っていたし、アジア圏の近くの国ということで、行く前に不安になることはありませんでした。ただ、実際に行ってみると、初日からほったらかしにされて(笑)。

ほったらかし、ですか(笑)。

前田さん寮に着いたら、ハウスルールはこれを読んでと、英語と韓国語でしか書かれていない冊子を渡されました。私はまだ韓国語がおぼつかなかったので、語学堂(大学内にある語学を学ぶための学校)の場所も、何日の何時から授業が始まるのかも分からなくて焦りました。

なんと、初日からサバイバルな空気ですね。留学の醍醐味とも言えますが(笑)。

前田さんなんとか韓国語で寮の方に質問してみると、当たり前なんですが韓国語で返されて、なんとなくでしか理解できないけど大丈夫か……とさらにドキドキしてきて。早く韓国語を習得しないと生活できないぞという緊張感が生まれました。でもそのおかげで火がついたと思います。「日本で学んでいた韓国語のスキルだけではダメだ! 自分でなんでもやらなくちゃ!」と追い込まれたことで、やる気がめちゃくちゃあがりました。

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

すごい、ポジティブですね!

松井さん留学に行くとみなさんたくましくなりますね。日本は言わなくてもなんでもやってくれるという環境が多いですが、海外だとそうはいかないことがほとんどで。でも「きちんと話せば分かってもらえるはずだから、自分の気持ちを一言伝えるだけでも変わるよ」というアドバイスはよくしますね。

前田さん私を入れて3人の学生が一緒に留学に行ったので、心強かったというのもあります。

留学中は実際にどのような授業を受けたんですか?

前田さん平日は週5日で9~13時まで語学の授業、そのうち午後は週2回、ソウルの大学で韓国の大学生が受ける正規の授業にも参加していました。週末はカフェに行ったり、語学の自主勉強をしていましたね。

語学堂での授業はいかがでしたか?

前田さん先生は韓国人なんですが、学生はいろんな国の人が集まっていました。みんなの共通語は韓国語だけという状況で、いかに分かりやすく喋れるかを実践する、良い機会になりましたね。仲良くなろうと積極的に話しかけて、日本人同士で話す場合でも韓国語を使うようにしていました。

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと
語学堂のクラスメイトと、ソウル大公園で文化体験。

留学中に韓国語が上達したなという実感はできましたか?

前田さん:やっぱり日常生活がすべて韓国語なので、本気度が違ってきますね。韓国人の友達にも恵まれて、実践的な会話や、若い人が使う言葉遣いなどを学ぶ機会がたくさんありました。勉強に集中できる環境もあって、留学中にTOPIK(韓国語検定)4級を取得することができました。

目の当たりにした日韓の違い。
きちんと言葉にして伝える姿が
大きな刺激になった

大学での正規の授業ではどういった内容を学んだんですか?

前田さん韓国の大学3~4年生の方と一緒に、日本学科の授業を受けていました。日本の女性史と日本の詩や和歌、小説についてですね。平安時代の女流作家や、与謝野晶子、横溝正史、江戸川乱歩などの有名な作家が取りあげられていました。

韓国の方が読み解く日本人、というのはおもしろい視点ですね。

前田さん海外の人からの視点で日本らしさを知れたのは新鮮でした。日本の女性の奥ゆかしさって韓国の人からしたら、かなり理解し難いみたいなんですよね(笑)。一歩下がるとか、男の人を立てるとか。日本でも男女に関する価値観は変わってきてはいると思いますが、日本で当たり前とされていることに関しても、広い視野をもって見直してみようという意識が生まれました。

実際に韓国に行ってみると、韓国人と日本人の違いを感じる場面が多そうですね。

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

前田さんお隣の国なのに、こんなに違うのかと驚きました。韓国の人は思ってることはストレートに言うんです。自分の気持ちは相手にきちんと言葉で伝えるという文化で、それが私はすごく素敵だなと思いました。日本人って謙遜するし、自分の意思をあまり強く伝えなくて、それが心地良いなと思う時もあるんですが、韓国人の積極性や行動力、言わなきゃ伝わらないよという姿勢は見習いたいなと思いました。

それと韓国の学生は勉強への意識がみんな高くて。テスト期間中は思わず「いつ寝たの?」と聞きたくなるほど勉強しているんです(笑)。図書館は24時間空いていて仮眠室やシャワー室まであったり、テスト期間中のカフェも学生で溢れかえっていて。

24時間ですか。すごいですね。

前田さんなんでそんなに勉強するのと聞いたら、大学は社会に出る準備段階だから、一生懸命勉強すると言っていて。正直日本の大学生とは正反対だなと(笑)。

たしかに、日本では社会に出る前の最後のモラトリアム、なんて言ったりもしますしね(笑)。

前田さんそれと韓国は卒業の単位としてTOEICもかなり高い点数の設定がされていて。当たり前に英語ができる環境にあって、もっと自分も頑張らないと、とモチベーションがあがりました。

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

松井さん韓国留学を経て「英語をもっと勉強しなくては」となる学生さんは多いですね。韓国の方は英語ができないと言ってもTOEIC600点なんてごく普通。韓国語以外の共通語として英語を話す機会も多いので、自然と「負けてられない」という気持ちになるようです。

ほかに、韓国に行ってみて思っていたのと違った! ということはありますか?

前田さん私が留学に行った時は、ちょうど日韓の関係もすごく悪くて、日本人は毛嫌いされるのではと考えていました。でも、実際に行ってみるとすごく優しくしてくれて。「最近日本人を見ないからすごくうれしいよ」と色んなところで歓迎してくれました。

あとは、韓国はSNSやキャッシュレスが発達しているのが便利でした。カードと携帯があればなんでもできるという感じで、どこにいくにも現金を持っていくことはほぼありませんでした。大学などの公的機関もSNSで積極的に発信をしていて、スマホからいろんな情報を得ることができます。

留学中の生活費はどれぐらいでしたか?

前田さん日本と比べると物価が安いものもあって、わたしは外食中心の生活を送っていたのですが、それで6万円ぐらいでした。安い子だと4万円ぐらいの子もいましたね。私は韓国料理やコスメ、ファッションが好きなので、日本の半額ほどの値段で常に買い物ができる環境はすごくラッキーでした(笑)。

いちばん思い出に残っている場所や、面白かった出来事はなんですか?

前田さん韓国の四季を感じられる場所に行けたのはよかったです。旧正月に韓服を着せてもらったり、花火大会に行ったり、秋にはピンクのススキが並ぶハヌル公園にも行きました。動物園やスケートなど、現地で暮らす人の日常的な暮らしも体験できて面白かったです。旅行では、買い物に行って観光スポットに行って終わりなんてことが多かったので。とにかく毎日が新鮮で楽しかったです。

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旧正月には、景福宮(キョンボックン)で韓服を。
肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと
秋のハヌル公園。あたり一面、真っピンク。

長期滞在だからこそできる楽しみ方ですね。

前田さんあとハプニング的におもしろかったこともありました。ある日、街で男女2人組に声をかけられて。どうやら私のことを韓国人だと勘違いしたようだったのですが、そのまま話を聞くと、たまたま外国人向けに韓国の文化を広める活動をされている方たちで、せっかくだから、いまから施設に遊びにこないか? と。突然のお誘いに正直迷ったのですが、思い切ってついて行くことに(笑)。そこではチマチョゴリを着せていただきました。韓国人はアジアのイタリア人と言われているみたいで、街で知らない人に声をかけることに抵抗がない人が多いようです。

松井さん前田さんは飛び込んでみた結果、いい経験ができたようでよかったです。ただ、海外に限らず、どこにでも危険は潜んでいるもの。特に知らない土地では、外出時はできるだけ慎重に、複数人で行動するよう心がけてほしい、と事前に注意喚起しています。とはいえ、せっかくの留学中、学校と寮の往復だけの生活になってしまうともったいないですよね。そういった子には逆に、1歩踏み出すためのアドバイスもしています。

「行動をすれば世界が広がる」
ということを身をもって知れた

留学中、外出は頻繁にされていたんですか?

前田さん毎日外出するのを目標にしていました。家に閉じこもっちゃうとせっかく留学した意味がないなと思って。たとえばカフェに行くだけでも、店員さんにおすすめは何か聞いてみるとか、現地の方と交流の機会をできるだけたくさん持つようにしていました。行きたいカフェはインスタで検索したり、仲良くなった韓国の友達に「このまわりにおいしいお店ある?」と聞いたりして。

海外留学ということで、心配をされる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

松井さん近年、世界中でテロ事件や暴動、災害などが多発していますので、親御さんからはいろいろなご相談をいただくことがあります。ですので、事前オリエンテーションには親御さんにも来ていただき、本学の危機管理体制についてしっかり説明しています。また、24時間対応可能な危機管理会社と連携していて、何かあったときにはすぐに動ける体制を整えています。

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

実際に韓国に行ってみて、得られたものはなんだと思いますか?

前田さん思い立った時にすぐ行動するというのは、日本に帰ってからも習慣になりました。韓国の方と話してみて、伝えないとわからないことってあるなと思ったり、行動をすれば世界が広がっていくことを身をもって実感できたからだと思います。

今、韓国語を勉強したいと思っている人に対して、おすすめの勉強法はありますか?

前田さん:私は韓国で流行っているVlogを毎日見ていますね。素人の方が毎日のルーティーンや旅行などの思い出を撮ったものです。韓国語で字幕がのっていて、日常的に使う言葉の勉強になりますし、韓国人の日々の生活をリアリティをもって知れます。

松井さん、コロナのなかで今後の国際交流、留学の取り組みはどのように変わっていますか?

松井さんオンライン留学を去年の夏からはじめました。コロナという状況もありますが、留学に行きたくても経済的に難しいという学生にも可能性が広がる制度になっています。現地のオンライン授業では、日本の授業とは違った刺激を受けるようで、実際に受講した学生たちにも好評でした。韓国だけではなく、今年の春にはカナダやインドネシアのプログラムも実施しています。実際の留学はまだ難しそうですが、柔軟に対応していきたいと考えています。

なるほど。本日はありがとうございました!

肌で感じた韓国カルチャーのパワーの源とは? 留学で学んだこと

国際学部の留学についてはこちら(大学公式サイトへ)

※記事に記されている所属・役職等は取材時のものです。既に転出・退職している教員、卒業している学生が掲載されている場合があります。

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