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運動部のリアルな話

大学生の課外活動をイメージしたとき、何らかのサークルに入ってゆるく楽しんでいる姿が浮かんできませんか? 少なくとも、中学生・高校生のように運動部でがっつり活動しているイメージはあまり浮かんでこないのでは……。
だからこそ、聞いてみようではありませんか。運動部で活動している甲南女子大学生のリアルな話を。甲南女子大学には現在18の運動部・同好会があり、多くの学生が学科学年の垣根を超えてスポーツをエンジョイしています。
今回はその中から、チアリーディング部と弓道部という2つの運動部に注目。「そもそもどうして入部したの?」という素朴な疑問から、入部後のモチベーションの保ち方、勉強と部活を両立させる極意まで、部活にまつわるエトセトラを現役部員にぶつけてみました。

チアリーディング部の場合

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弾ける笑顔でチアリーディング部伝統の決めポーズを見せてくれた2人。(左から)K.Kさん(人間科学部生活環境学科 3年生)とC.Nさん(人間科学部生活環境学科 2年生)。

いいことも悪いことも
本音で話し合える
フラットかつ密な関係性

運動部のリアルな話

いろいろな部や同好会がある中で、お二人はなぜチアリーディング部に入ろうと? 入部の動機を教えてください。

K.Kさん:もともと体を動かすのが好きで、高校時代は水泳部に入っていました。大学では何か新しいスポーツに挑戦しようと思って部活紹介のパンフレットを見ていたときに、ユニフォーム姿のチアリーディング部の写真に目が留まって。かわいい! 楽しそう! っていう第一印象で入部を決めました。チーム名のBELUGAS(ベルーガス)にちなんだ白イルカのマスコットもかわいいんですよ。

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チアリーディング部のユニフォームを身にまとい、練習を見守っていた。

C.Nさん:私は小学生と高校生のときにチアをやっていたんですけど、高校時代はコロナ禍と重なって大会などにあまり出られなくて、不完全燃焼のまま終わってしまいました。チアを続けたい気持ちが強かったので、チアリーディング部がある大学を探してこちらに入部しました。

大学選びもチアリーディング部が決め手だったとは驚きです。実際に入部してみて、どうでしたか?

C.Nさん:想像していた以上に上下関係がフラットでした。先輩・後輩、経験・未経験に関係なく、すごく仲がよくて。新入生に対しても分け隔てなく接してくれて、すっと溶け込めた気がします。

K.Kさん:私も最初、こんなにコミュニケーションが活発なんだ! とびっくりしましたね。水泳のような個人競技とは違って、チアはチームワークでいろいろな技を展開していく“The 団体競技”なので、いいことも悪いこともみんなで話し合うことが大事なんだなと気付かされました。

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先ほど練習の様子を拝見しましたが、一つのアクションを終えるごとに言葉をかけ合っていましたよね。「膝が曲がっているよ」とか「今の感じでいこう」とか。練習はあのように実技が中心なんですか?

K.Kさん:そうですね。実技を繰り返して、技の精度を高めていくスタイルです。少しでもタイミングがずれると全体のバランスがくずれて、ケガ人が出てしまう恐れがあるので、しっかりと声を出して息を合わせる練習もしています。

C.Nさん:時々、撮影した動画を見返して改善点を探ったりもしますよね。あと、チームの中にチアの強豪校出身の人がいて、高校時代の動画を見せてもらうことも。そうやって練習しながら、大会での演技構成や新たに挑戦する技なども全部自分たちで決めています。

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先輩のアドバイスも活かしながら、
勉強と部活をバランスよく両立

練習をする曜日や時間帯は決まっているそうですね。部活がある日の1日のスケジュールと合わせて教えてください。

K.Kさん:うちの部の場合は、火・水・金曜の夕方と土曜の午前中ですね。スケジュールはそれぞれこんな感じでしょうか。私もC.Nさんも通学に2時間近くかかるので、どうしても朝早め、夜遅めになっちゃいますね。

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C.Nさん:学科や学年によって授業が詰まっている人もいるので、その場合はお休みもしくは途中参加もOKです。私は、同じ学科の先輩からおすすめの授業やカリキュラムの組み方を教えてもらって、なるべく休まず参加できるように工夫しています。

では、勉強と部活を両立させる難しさはあまり感じていない?

K.Kさん:入部したての頃は、バランスの取り方が難しいなと感じることもありましたが、大学生活に慣れていくにつれてペースを掴めてきました。部活のない日にしっかり勉強するとか、メリハリをつけるようにしています。

C.Nさん:個人的には適度に忙しいほうがダラダラする時間を減らせて、集中して部活や勉強に取り組めます。さすがに部活のあとの電車の中では爆睡しちゃうんですけど(笑)。

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チアリーディングは
誰もが個性を
発揮できるスポーツ

チーム内での共通の目標があれば教えてください。

K.Kさん:毎年8月にジャパンカップという大きな大会があって、地区予選突破、本戦出場を目指して頑張っています。地区予選の壁は結構厚くて、今年は残念ながら実現できなかったんですけど、ノーミスで終えられてチームの成長を実感しました。

C.Nさん:ほかの運動部の応援に行くことも私たちの目標ですよね?

K.Kさん:そう。以前は試合の応援に参加していたらしいのですが、コロナ禍を境に途絶えてしまって……絶対に復活させようねってみんなで話し合っています。あとは、部員をもっと増やしたい。これは目標というより願望ですね(笑)。今は11名で活動しているんですけど、多ければ多いほど演技に迫力が出ますし、技のバリエーションも増やせるので。

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では最後に、入部希望者が増えることを願って、チアリーディング部のアピールをお願いします。

C.Nさん:チアリーディングは、小柄な人ならトップポジション、がっちりタイプの人ならベースポジションというふうに、どんな人でも自分の持ち味を発揮できる競技です。入部者のほとんどが初心者で、同じスタートラインに立って始められるところもうちの部の良さだと思います。興味を持たれた方は、気軽に練習を見に来てくださいね!

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チアリーディング部についてはこちら(大学公式サイトへ)

弓道部の場合

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(左から)K.Hさん(人間科学部心理学科 3年生)、M.Yさん(文学部日本語日本文化学科 3年生)。「おばあちゃんになっても一緒に弓道を続けようね」と誓い合う親友同士。

道場入りまで約半年。
的を射た瞬間の
爽快感がたまらない!

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練習中、何度も矢が的中していましたが、お二人はもともと弓道経験者なんですか?

K.Hさん:いえ、私たち二人とも大学で弓道デビューしました。部員のほとんどがそうですよ。私はとにかく、毎年1月15日前後に京都の三十三間堂で行われる「通し矢」に出場したい! という思いで入部しました。晴れ着をまとった新成人の女性たちが弓を引く姿がすごく素敵で、自分もあの舞台に立ちたいって。

M.Yさん:去年、ついにその夢が叶ったよね。そもそも有段者でないと参加できないので、初段合格を目指して頑張りました。私の場合は、弓道にずっと憧れがあったんですが、中学や高校には弓道部がなくて……大学にあると知って即入部を決めました。

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初心者で始める場合、どんな練習からスタートするんですか?

K.Hさん:まずは礼儀作法を身につけるところからですね。目上の方に対する言葉遣いや接し方から始まって、道具の扱い方や基本姿勢の取り方といった基礎を段階的に学んでいきます。道場に入って弓を引くことができたのは、入部して半年後くらいだったと思います。それまではひたすら道場の外で練習用の巻藁(まきわら)を至近距離から射る練習を繰り返していました。

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M.Yさん:道場の的に当てられるようになるまで、ひと月くらいかかったような。何しろ的までの距離が28mもあるから最初は半分も届かないんです。先輩たちの動作をよく見て、自分とどこが違うのかを鏡でチェックしながら正していき、少しずつ手応えを感じられるようになりました。

K.Hさん:的に当たるようになると、どんどん楽しくなってくる。なんとも言えない爽快感があるんですよ。

弓道に打ち込むひと時は
忙しい毎日のリフレッシュタイム

弓道部の練習サイクルと平均的な1日のスケジュールを教えてください。

M.Yさん:練習日は水・金・土曜の週3回、準備も含めると1回あたり3〜4時間程度、活動しています。

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部活後に自主練習もしているんですか!?

K.Hさん:はい、やりたい人は残って練習していますね。私やM.Yさんは帰りのスクールバスの時間に合わせて1時間くらい。部活中に受けた指摘や自分で気づいたところを意識して取り組んでいます。

M.Yさん:後輩の上手な子たちを見ていると、自分も頑張らなきゃっていう気持ちが自然と湧いてきて。弓道に憧れはあったものの、こんなにハマるとは思いませんでした。

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部活にのめり込みすぎて、勉強のほうがおろそかになったりは……?

M.Yさん:おかげさまでうまく両立できています。1、2年生のときは午前中の必修科目があったりして今よりも忙しかったんですけど、弓道をする時間がよいリフレッシュ時間になっていました。

K.Hさん:プラスの影響のほうが大きいよね。最初の頃は礼儀作法について先輩から厳しめに言われて凹んだりもしたんですけど、それは弓道の世界だけでなく社会に出てから役立つことばかりなんです。こうして一緒に頑張れる仲間にも出会えて、入部してよかったなと思います。

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上級生ならではの苦労も経験し
ひと周り大きく成長できた
弓道部の3年間

M.Yさん:上の立場に立ってみると、先輩たちの苦労もわかってきますね。

K.Hさん:そうそう。私は今、主務という立場で部内の事務を担当していて、大会にエントリーする選手の選考もしているんですけど、それがいつも悩ましくて。後輩たちみんな出してあげたい、でも制限があるからそうはいかないっていうところでの葛藤が……。

M.Yさんは関西学生弓道連盟の役員として大会運営に携わっているでしょう。自分も出場しないといけない中で、気持ちの切り替えが大変だろうなと思って。

M.Yさん:確かに大変な面もあるけれど、他大学の人たちと力を合わせて大会を成功できたときの達成感はそれ以上に大きい。その役員の任期は来年夏まで続くので、部活を引退したあとも大学弓道にかかわっていられるのは素直に嬉しいです。

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お二人とも引退間近ということで、この先、甲南女子大学で弓道デビューするかもしれない人たちに向けてひと言ずつメッセージをお願いします。

K.Hさん:どんなスポーツにも言えることかもしれませんが、弓道は「道」が付くだけあって非常に奥が深いです。競技を通じて吸収できることがたくさんあるので、大学生の間にぜひチャレンジしてみてください。

M.Yさん:肉体的にめちゃくちゃハードなスポーツではないので、体力にあまり自信がない人でも始められます。かくいう私も運動部は初めてでした。一人でも多くの人に、的を射る楽しさ、練習の成果が実る喜びを味わってほしいです。

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弓道部についてはこちら(大学公式サイトへ)

※記事に記されている所属・役職等は取材時のものです。既に転出・退職している教員、卒業している学生が掲載されている場合があります。

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