好きなものを追い続けてたら人生が変わった!K-POPにハマり続けた結果、進学や留学、さらに就職までも決まり、コミュニケーションや金銭管理の能力まで身についたという学生にインタビュー。自分の「好き」を貪欲に追いかけることで世界は広がっていくことを教えてもらいました。
小学校からずっと
K-POPにハマり続けてきた半生
港さんがハマったK-POPの遍歴を教えてください。
港さん:小学校4年生くらいでしょうか。「東方神起」がまだ5人で活動していた時に、お母さんがきっかけでハマりました。アイドルとハグができるイベントにお母さんと一緒に行ってましたね(笑)。
ただ、ハマって数年でメンバーの分裂騒動が起きちゃって……。そこで東方神起からは離れてしまったんですよね。その間に一瞬、J-POPの「AAA」にハマったりもしましたが、すぐにまたK-POPに戻りました。「BOYFRIEND」を好きになって、そのあと「SHINee」を2年くらい好きになって……そのあと「Super Junior」「EXO」へと渡り歩き。最終的に、いま追いかけている「NCT 127」にたどり着いたのは大学2年生あたりからでしょうか。ちょうどグループが売れ始めていたタイミングで。
のっけから情報量がすごい(笑)! 各グループはどうやって好きになったんでしょう?
港さん:BOYFRIENDを除いて、みんな同じ事務所に所属しているアーティストなんです。事務所に所属するアーティストが総出演するような大きなコンサートだと、いま売れているグループから、これから芽が出そうなグループまでいろんな人たちが出ますよね。そこで「あ、あのグループ素敵だな」って気になって、追いかけ始めるような感じです。
顔がいい! 歌がうまい!
「集団の美」のクオリティが高い!
港さんが好きになったアーティストに共通している魅力ってなんでしょうか。
港さん:日本のアイドルに比べて歌が上手な人が多いと思いますね。メンバーの人数が多いのに、激しいダンスを踊りながらでも歌や踊りがぴったりと揃っている。「集団の美」というか、観ていて気持ちがいいですね。
港さん:そして、私が好きなアーティストたちが所属している「SMエンターテインメント」という事務所に所属している人たちは、みんな顔がいい! とにかく顔がいいんです!!
(Webサイトをみながら)おお。確かに、綺麗な顔立ちですね〜。ちょっと意地悪な質問ですけど、メイクもがっつりしてるし、それなりにビジュアルを加工……というか、盛ってると思うんですが、それはいいんですか?
港さん:むしろそれがいいんです! K-POPのアーティストって必ずと言っていいほど日本進出もするんですが、日本向けのアー写だと加工感が薄くてあんまり好きじゃないです。肌荒れとか隠しきれてなくて(笑)。日本の音楽番組は韓国に比べて色合いがすごく綺麗で照明の質もいいぶん、もっと盛ってきれいな状態で観せてほしいんですよね。せっかくのメンバー個別の見せ場の時もカメラ寄らずに引いたりして……。
好きすぎてジャーナリストみたいな見方になってる(笑)!
NCT 127のジョンウが
最近の最推し!
K-POPは多文化で拡張性が魅力
港さん:「NCT」というグループから派生して生まれたユニットで、10人のメンバーで構成されています。私の推しメンバーはジョンウ。スラッと通った鼻筋で、顔がすごく綺麗なんですよ〜!
(Webサイトをみながら)メンバーですが韓国の人ばかりではないんですね。
港さん:NCT 127は日本人とカナダの人もいます。K-POPのグループってけっこう多国籍なメンバーで構成されていることが多くて、全員のトークもお国柄というか、特性の違いが見えたりして面白いんですよ。
昨年NCTには、GACKTのバックダンサーをつとめていたショウタロウという日本人がメンバーとして加入して話題になりました。日本でもダンサーとして売れていた後にNCTに入ったんです。日本人ウケする顔で、いままでNCTのファンにいなかった層も取り込みましたね。K-POPってそういう拡張性も魅力のうちのひとつかなあと思います。
堅実に貯めて確実に会う!
したたかさが光るオタ活術
やはり推しには現地で会うのがいちばんいいのかなと思うんですが、韓国にはどれくらいの頻度で行ってるんですか?
港さん:最初は高校受験の合格祝いで親といっしょに韓国に行きました。大学までは親と年に1回くらい行ってましたが、大学生になってアルバイトをするようになってからは自分でお金を貯めて、ひとりや友達と行くようになりました。現地に行くのもコンサートに行くのも、親は「自分で稼いだお金だったらいいよ」と言ってくれています。
自分で自由に使えるお金が増えたら金遣いが荒くなってしまう気もしますが、どうですか?
港さん:やっぱり、追いかけているグループのグッズはつい買ってしまいますね。まだまだ家にもあります。
すごい量ですね……(笑)。
港さん:ただ私の場合、これでもお金の使い方に関してはかなり現実的だと思いますね。いま韓国ではコロナ禍もあってオンラインサイン会が盛んなんです。オンラインのレコードショップでCDを買ったら、そのショップが購入者に対し抽選を行い、当選者のみがオンラインサイン会に参加できます。 日本だと、CDを買うと応募券がついていたりしますね。当選者は、テレビ電話のアプリを使って推しのメンバーと話せるという内容なんですけど。
たくさん楽曲を買って当たるかどうかわからない応募券にお金を使うくらいなら、私は堅実にお金を貯めて、直接会えるイベントに行きたいです。
くじ運任せのものにお金は使わないと。
港さん:それにお金をいっぱい使って全部外れたら悔しいじゃないですか。当たるかどうかわからないものに私はそんなにお金をかけられない。アルバイトも、ここでこれだけ稼いでおけばこの月には韓国に行ける! って、確実な目標があるからより頑張れますね。
港さん:オンラインサインの特典は「推しと2分間ビデオ通話ができる」というものなんですが、人によってはそれをひとりで何枚も買う人もいますね。サイン会を行っている会社側で翻訳者を雇ってくれているので、直接韓国語が話せなくても、メンバーと会話することはできます。でもせっかくチケットをたくさん買っても翻訳者に頼っていたら話す時間も少ないので、私はそのお金を韓国語を話すためのスキルに使いたい。
ガチ勢といえば好きなものには見境なくお金を使うのかと思いきや、すごく冷静にお金を使うところ・使わないところを見極めているんですね。
港さん:自分でやりくりをするおかげで、金銭管理が得意になりましたね。それに、スケジュール管理能力もつきました。コロナ禍の前は年に2〜3回、毎回5泊くらいの日程で行っていたので。行く前の準備もそうですし、現地でどのタイミングでどこに行くかなど旅の段取りももちろん自分です。
留学に卒論、就活も。
K-POPを好きになったから
世界が広がった
ちなみに、韓国語で直接メンバーと話すとのことでしたが、港さんは韓国語を話せるんですか?
港さん:TOPIK(韓国語検定)は5級合格ですね。日常会話ならほとんど困ることがなく話すことができます。3年生の時に韓国に留学をしたんですが、会話能力はそこでスキルを伸ばしました。日本人の友達と一緒にいたら絶対に語学が上達しないと思って、韓国の友達をつくりまくって喋りまくりました!
すごい! 好きなことが学びに直結しているんですね。
港さん:同じアーティストの歌でも、オリジナルと日本語バージョンでは歌詞が全然違うんですよ。国別のマーケットがあって、そこに合うように歌詞がつくられている。そういった違いを知れるのも語学を学んだおかげです。
あと、韓国語を学んでからは歌詞がきちんと聞き取れて、意味も理解できるようになりました。NCT 127の「Back 2 U」という楽曲の中で「너도 알잖아(ノド アルジャナ)」という単語が出てくるんです。「あなたも知ってるでしょ?」って意味なんですけど、以前はその単語も聞き取れなかったし意味もわかってなかったんです。推しのメンバーがそのフレーズの担当になり、必死に聞き取りました。韓国語が上達したのがわかって嬉しかったですね。
もちろん音楽としてレベルが高いので、歌詞の意味がわからなくてもリズムやメロディーだけでノれますけど、やっぱり意味を知って聴くと受け取り方が変わりますね。バラードなんかは特に。
K-POP好きがきっかけで学びに影響しているところって他にもありますか?
港さん:そもそも甲南女子大学を選んだのも、多文化コミュニケーション学科で韓国語が学べるからだったんですよね。
港さん:卒論のテーマもK-POPがきっかけです。K-POPのように世界のいろんな国に向けて売り出している音楽は、国によって売り方が違うんですよ。韓国や日本ほどK-POPがメジャーではないアメリカでは、アイドルと直接会えるイベントのチケットがものすごく安い。それこそ、桁がひとつ違うレベルなんです。「どうしてこんなに違いがあるのかな」という疑問から、音楽のグローバルマーケティングについて論文を書きました。
本当にK-POPを入り口にしてどんどん自分の知識や世界を広げていっているんですね。
港さん:そうですね。K-POPがなければ自分の人生はまた違ったものになっていたんじゃないかなと思います。
将来もやっぱり韓国に関係のある職業に就きたいですか?
港さん:積み上げてきた語学力を活かして航空関係の企業に就きたかったのですが、コロナ禍で違う業界に就職が決まっています。いつかは韓国とつながりのある職もめざしてみたいです。
あ、でもいま就職が決まっている会社の社長も韓国が好きなんですよ。就活の際には盛り上がりました! 学生生活の最後までK-POPが道をつくってくれましたね。はやく情勢が落ち着いて、韓国に遊びに行きたいです!
国際学部 多文化コミュニケーション学科についてはこちら(大学公式サイトへ)
※記事に記されている所属・役職等は取材時のものです。既に転出・退職している教員、卒業している学生が掲載されている場合があります。
Another voice
01韓国カルチャーに夢中