わたしたちの平成カルチャー
学生たちが平成レトロをテーマに、ビジネスプロジェクトに挑戦!
トレンドに敏感なZ世代を中心に盛り上がりを見せている「平成カルチャー」。おもに1990年代から2000年代初頭にかけて流行したファッション、アニメ、音楽、おもちゃなどが「エモい」と再評価され、リバイバル商品も続々と生まれています。
そんななか、甲南女子大学の生活環境学科(2026年4月より社会学部 総合社会学科)
・吉田有里先生のゼミで学ぶ学生たちが、「写真を使った新しい記念品づくり」をテーマにした産学連携プロジェクトに挑戦。Z世代ど真ん中の彼女たちは、平成女児カルチャーのシャカシャカシールに着目し、企業のサポートを受けながらアイデアを形にしていきました。試作や改良、イベント参加を経てビジネスモデルの構築を進めている学生の皆さんに、プロジェクトの紆余曲折について語っていただきました。
さらに、プロジェクトを推進した吉田先生に「流行をビジネスに変える方法」や、2026年4月から始まる社会学部総合社会学科ビジネス社会専攻の特色についてお話を伺いました。
自分たちがもらってうれしい、
写真を使った記念品を追求
———今回の産学連携プロジェクトは、カメラのキタムラやしまうまプリントなどを傘下に持つ株式会社キタムラ・ホールディングスの子会社、株式会社ラボネットワークとの連携によって実現したそうですね。企業側のどんな要望を受けて、どのように進めていったのか、プロジェクトの経緯を教えてください。
T・Mさん:4月のゼミの開始当初にラボネットワークの皆さんと顔合わせをした際、現役大学生が考案した「もらった人が喜ぶ、写真を使った新しい記念品」というプロジェクトテーマをいただきました。
まず、ラボネットワークさんによる写真ビジネスの講義や、フィルムカメラで撮った写真の現像体験などで基本を学んだ後、2班に分かれてアイデア出しを行いました。その結果、私たちの班は平成女児カルチャーに再注目したシャカシャカシールを、もう1班は卒業式向けのセルフフォトサービスを企画しました。
アイデアが固まった段階でプレゼンテーションを行い、私たちシール班はその後、試作品づくりと改良、商業施設でワークショップを実施しました。現在は活動成果を振り返り、ビジネスモデルの具体化に取り組んでいるところで、最後にそれらを冊子にまとめてプレゼンテーションを行う予定です。
———なるほど、「写真を使った新しい記念品」というテーマはありつつも、実際に何を作るかは皆さんのアイデア次第だったんですね。
M・Mさん:そのアイデア出しが意外と難しくて。「もらった人が喜ぶもの」って何だろう?って考えれば考えるほどわからなくなって、どんどんテーマからズレていくんです。もう、モバイルバッテリーでいいじゃん!とか(笑)。
D・Mさん:企業の方のアドバイスがなかったら、あのまま迷走していたかも……。「誰かにあげることより、自分たちがもらってうれしいものを考えたら?」と言われて、一気にモヤモヤが晴れました。モノに限らず、サービスでもいいというお話もあったので、自分たちで作れるものがいいね、じゃあ何を作る?となったときに、今流行っている平成女児アイテムと写真を組み合わせる案が出ました。
———「手作り体験」のアイデアが入り口だったんですね。
T・Mさん:最近、動画やアルバムを自分で手作りするサービスが若者の間で流行っていて、手作りした体験ごと思い出として残るから記念品にぴったりかもって。完成品をもらうよりうれしいだろうなと思いました。
元平成女児の心をくすぐる
シャカシャカシールの魅力
———平成女児の流行を認識したのはいつ頃ですか? また、いろいろな平成女児アイテムがある中でシャカシャカシールに着目した理由も聞かせてください。
M・Mさん:流行に気付いたのは、2025年のバレンタインの時期です。#平成チョコ#平成女児チョコのハッシュタグが付いた、かわいい手作りチョコの投稿をSNSでよく見かけたので、平成女児が流行ってるよねーっていう話から自然とシールの話題に。小学生の頃、友だち同士でシール交換をするのが当たり前で、なかでも透明のカプセルにキラキラのパーツが入ったシャカシャカシールは私たちの憧れでした。そういう共通認識もあって、シャカシャカシールがいいねって。
D・Mさん:マグネットやキーホルダーの案も出たんですけど、シールは懐かしい感情が湧いてくるし、作るとしたら一番ワクワクした気持ちになれそうということで、意見が一致しました。
T・Mさん:でも、先生から「それ、本当に流行ってるの?」と聞かれて、商品化するためには主観だけでなく、多くの人を納得させるデータが必要なんだと気付かされました。
———データを得るためにリサーチを行ったわけですね。具体的にどんな方法で?
T・Mさん:まず、メディア情報を当たってみました。その結果、日経新聞社の「2025年上期ヒット商品番付」でサンスター文具の「ボンボンドロップシール」がランクインしていたり、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントの「SHIBUYA109 lab.トレンド予想2024」のモノ・コト部門に平成女児がランクインしていたり、複数のメディアで取り上げられていることがわかって。そのほか、しまむらやWEGOといったアパレルブランドで平成テイストの商品が発売されていることもわかりました。
D・Mさん:実際にアパレルや雑貨のお店に行ってみたら、平成女児コーナーがあってシールもたくさん置かれていました。現場を見ると、確かに流行しているんだと実感できますね。
M・Mさん:あと、SNSのリサーチも。TikTokでシール帳の動画に27.8万いいねが付いているとか、Instagramで#シール帳の投稿が1.6万件あるといった数字をプレゼン資料に盛り込みました。
T・Mさん:一番時間をかけて行ったのは、アンケート調査です。家族や友だちに協力してもらって、高校生から社会人まで約180名を対象にシャカシャカシールに関する意識調査を行いました。以前、ほかの授業で習った社会調査のノウハウがここで役立ちました。
———アンケートの結果、どんなことが見えてきましたか?
D・Mさん:シャカシャカシールの認知度が80%以上と非常に高いことや、写真を使ったシャカシャカシールを作ってみたい・興味があると答えた人が7割近くに上りました。ビジネスの可能性を示すことができ、企業側の理解も得やすかったです。
M・Mさん:オリジナルのシャカシャカシールが作れたら、どういう使い方がしたいか?という問いで一番多かった「友だちとお揃いで持ちたい」という意見も参考になりました。正直、自分一人の写真だったらそんなにうれしくないし、友だちや大切な人と撮った写真のほうが記念品として大切にしてもらえるだろうなと感じました。
T・Mさん:ただ、アンケートの回答者は高校生・大学生の割合が多かったんですよね。商業施設でのワークショップの開催を見据えて、誰をターゲットにするべきかを考えると、小学生くらいの子どもを連れた親子がいいよね、という結論に。早くそこに気付いて、子どもたちにもアンケートを取ればよかったと反省しています。
次々に問題発生……
キラキラのハート型カプセルができるまで
———次に取り組んだのは、アイデアを形にする作業、試作品づくりですね。挑戦してみてどうでしたか?
D・Mさん:材料や道具を集めて、みんなでワイワイ作る時間はすごく楽しかったんですけど、写真が大き過ぎてかわいくないとか、逆に小さ過ぎて写真が見えないとか、次々に問題発生して……完成するんかなって不安になりましたね。
T・Mさん:カプセルに入れるパーツの量や大きさも考えないといけないとか、実際に作ってから気付くことが多かったです。当初は、丸とか四角とかいろんな形を用意するつもりでしたが、それは難しいと判断して、ハート型1つに絞ってクオリティを高めることに注力しました。多分、トータルで50個くらい試作したと思います。
M・Mさん:ハート型のカプセルを作るだけでも本当に大変で。材料をやわらかくするのにトースターにするか、エンボスヒーターにするかといった道具選びで悩み、きれいに仕上げるためにはどうするかでまた悩み……。みんなで知恵を出し合って乗り越えられたこともあれば、手作りではどうしても超えられない壁もあって。きれいなハート型で統一できたのは、ラボネットワークさんからお借りした業務用機材のおかげです。
———試作品のビフォー・アフターを見比べると、クオリティーの違いが一目瞭然ですね。ハートのまわりのキラキラの有り無しでもずいぶん違って見えます。
T・Mさん:ありがとうございます。中に入れるパーツの量が制限される分、ちょっと華やかさに欠けてしまったので、試しにキラキラのストーンをあしらってみたら、すごくいい感じに仕上がりました。
大盛況のワークショップで感じた
平成女児カルチャーの普遍性
———試作と改良を経て、テストマーケティングを兼ねたワークショップですね。イベント内容や当日の様子について教えてください。
M・Mさん:写真撮影やプリント、写真の切り取りなどは私たちが担当して、パーツを選んだり、貼ったりする仕上げの工程をお客さんに体験してもらいました。材料や時間の制約があったので限定50組と決めて整理券を配布したところ、あっという間になくなって。そこから3時間、トイレに行く暇もないくらいフル回転でした。
D・Mさん:大変だったけど、予想通り、親子連れのお客さんがたくさん来てくれてほっとしました。始まる前は、誰も来なかったらどうしようって本気で心配していたので。
———ワークショップではどんなことがわかりましたか?
T・Mさん:裏面のシールがはずれやすいという改良点が見つかったのと、「もっとこうしたい」「こうだったらいいのに」っていうご意見もいくつか。アンケートの回答にもあった、推しやペットの写真を使いたいという声のほかに、自宅でも作りたい、水を入れたいといった予想外の声も聞かれました。実現できるかどうかはともかく、今後、新しいビジネスモデルを提案する際のヒントになりそうです。
D・Mさん:私は、男の子の多さに驚きました。見本の作品を見て、かわいい、やりたいと言って、女の子と変わりなく楽しそうに作っていたんです。性別や世代を超えて人の心をとらえる力があるのだとしたら、平成女児は一過性のブームではなく、1つのジャンルとしてこの先も残っていくんじゃないかなと感じました。
M・Mさん:定着の可能性、あると思います。一時的に人気が衰えたとしても、今、平成女児カルチャーに触れている令和女児が大人になった時に再燃するはず。親に買ってもらえなかったシールを自分で買えるようになりますから、私みたいに(笑)。
打ち解けたきっかけは、フィルムカメラ
チームを通して見つけた一人ひとりの強み
———お話を伺っていると、チーム内の雰囲気の良さも伝わってきます。
T・Mさん:吉田ゼミに入るまでは面識がある程度で、特に仲が良かったわけじゃないんですよ。
D・Mさん:そうそう、最初はなんか会話もぎこちなかった。フィルムカメラで好きな写真を撮りに行く活動をした頃から打ち解けていった気がします。話すうちにお互いの性格や強みがわかってきて、うまく役割分担できるようになりました。
———それぞれの強みがどのように生かされたんでしょう?
M・Mさん:Dさんは手先が器用で、シャカシャカシールを作る速さもきれいさもチームNo.1。作る場面ではいつも“先生”と呼んで頼りにしていました。
T・Mさん:Mさんは、ポジティブマインドっていうのかな。どんな提案をしても「それ、いいやーん」と笑顔で受け入れて、気持ちを前向きにさせてくれるんです。こういう人がいると、雰囲気が良くなり物事が円滑に進みやすいですね。
D・Mさん:そういうTさんだって、すごいんですよ。自分の気持ちを言葉にして伝えるのが上手で。プレゼンでの質問にもスラスラ答えてくれて、すっごく助かりました。
T・Mさん:なんか照れちゃう(笑)。ちなみに、この場にはいませんが、もう一人のメンバーのUさんは細かいところによく気が付く人で、彼女のおかげでミスを防げた場面が何度もありました。
———たまたまゼミで出会ったメンバーとは思えないぐらいバランスが取れていますね。4人で取り組んだ今回のプロジェクトは、今後の大学生活や社会で生かせそうですか?
D・Mさん:吉田ゼミは来年度も継続されるようなので、今回の経験を生かしてもう一度産学連携プロジェクトに挑戦し、ビジネスの経験値を高めたいなと思っています。
M・Mさん:今回のプロジェクトは、先生やメンバー、企業の皆さんの支えのおかげで実現できたと思っています。特に今回お世話になった企業の皆さんは本当に温かくて、私もこういう社会人でありたいなと感じました。
T・Mさん:私は今回の取り組みを通じて、一人ひとりの得意や苦手を補い合って困難を乗り越える、チームワークの大切さを学びました。就職活動でお話しするエピソードとしてさっそく役立っていますし、就職してからもきっと役立つと思います。
———来年度以降、産学連携プロジェクトに参加する後輩に向けてのアドバイスもぜひ。
T・Mさん:産学連携ってお堅いイメージがあるかもしれませんが、構える必要は全然なくて、むしろ自分が思ったこと、感じたことを素直に表現するほうがプラスに働きます。企業の皆さんは、大学生らしい視点や柔軟な発想を期待されていると思うので、こんなことを言ったらダメかなと考えず、自分の思いを積極的に発信することをおすすめします。
株式会社ラボネットワークご担当者伊藤桜子さんからのコメント
今回のシャカシャカシールの企画は、写真やシールといった誰もが懐かしさを覚えるものに、今の流行をうまく組み合わせたアイデアだと感じています。アルバムやブロマイドといった既存の写真商材にとらわれず、今までにない「思い出の作り方」を生み出せたのではないかと思います。初めての取り組みでしたが、実際にとても好評で、非常に需要のあるアイデアだったのではと考えています。私も今回の挑戦を通して、「やってみなければ分からない」という、新規事業立ち上げにおける大切な初心を思い出すことができました。
企画を考えた学生の皆さんは、「子どもたちが喜ぶように」という視点をとても大切にしていて、デザインや作り方へのこだわりからもその気持ちが伝わってきました。また、シャカシャカシールに懐かしさを感じる保護者の方も多く、製作に関わる人全員が楽しさを感じられる点も素晴らしいと感じました。「写真を使った新しい記念品を考える」というテーマのもと、お客様の目線と企画の目的の両方をしっかり満たすような商品開発で、今後本格的に働く上でも役立つ経験になったのではないでしょうか。
株式会社ラボネットワーク
クロスインダストリー営業部法人営業G
伊藤桜子
流行や好きなものをビジネスに変えるには?
「ぬい活」ビジネスが成功している理由
———ゼミを担当した吉田有里先生には、流行や好きなものをビジネスに変える方法についてお聞きしたいと思います。 今回のように1つの大きなテーマのもとで新しい商品やサービスを開発する際、どのようなアプローチがありますか?
吉田先生:あるテーマに対して、何もないところからスタートすると、「じゃあ、こういうものがいいんじゃないか」と一足飛びで回答を得ようとしがちですよね。でも、それではビジネスは成り立ちにくい。そこで何を用いるかというと、今ビジネス界隈で流行しているデザイン思考です。具体的なユーザー像(ペルソナ)を作成し、その人間になりきってとことん物事を考え抜くことで、問題の本質(問題定義)を突いた解決策を導き出す、社会学の手法を用いたフレームワークの一種です。
今回のプロジェクトもこれに基づいて進めたのですが、最も重要な問題定義にたどり着くまでが大変でしたね。やはりどうしても思いつきのアイデアに頼ってしまうので、そのたびにユーザー像に立ち返りブレインストーミングを繰り返すことで、ようやく見出せたという感じです。
———思いつきのアイデアと、問題定義を捉えたアイデアの違いは何ですか?
吉田先生:思いつきのアイデアは、表面的な出来事だけを見て生まれるもの。理由を聞くと「かわいいから」「便利だから」といった答えが返ってくる類です。一方の問題定義を捉えたアイデアは、出来事の下層にあるパターンや構造、メンタルモデル(無意識の思い込みや価値観)といった見えない部分まで掘り下げたものを指します。
今回のプロジェクトに置き換えると、写真を印刷しない時代にあえて印刷をして贈る側・もらう側が楽しむにはどうすればよいか?という問いに対して、学生たちはユーザーになりきって「写真を使った記念品を手作りする」という答えを導き出しました。シャカシャカシールありきではなく、手作りが思い出になるという新たな体験価値を提供するためのツールがシャカシャカシールなのです。
———どんな人がどんなものを求めているのかを徹底的に考え、「本質」を見抜くことが何よりも重要なんですね。その手法を応用すれば、さまざまな流行をビジネスに変えていくことができますか?
吉田先生:もちろんです。流行を一時的なブームに終わらせるのではなく、ビジネスにつなげるには、その流行の背景にある本質的な部分を見抜くことが大事。つまり、なぜ消費者はそのように行動しているのか、本人も気付かない無意識の部分を見抜き、流行の要因を明らかにする。そうすることで、本質的な課題の発見、ひいてはビジネスになり得る新しい価値創造につながります。
例えば、今流行している「ぬい活※」の場合、見た目のかわいさだけでなく、癒しや安心感、自己表現の手段、SNSとの親和性といった本質が隠れています。ぬい活がビジネスとして成功しているのは、そうした潜在的なニーズに対して、グッズ展開やSNSテンプレートなどさまざまな仕組みで応えているためです。
※ぬい活=ぬいぐるみ活動の略称で、ぬいぐるみを推し活やファッションの一環で楽しむ行為を指す。さまざまなシチュエーションでぬいぐるみを写真撮影する「ぬい撮り」、ぬいぐるみと一緒に旅に出かける「ぬい旅」などがある。
自分の「好き」を社会にどう役立てるか
社会学部総合社会学科 ビジネス社会専攻で学べることとは?
———学生さんたちが今回の産学連携プロジェクトにあたって、平成女児のトレンドを生かした点についてはどう感じましたか? またアドバイスしたことがあれば教えてください。
吉田先生:彼女たちの感度の鋭さに驚かされましたね。世代特有の高い感度を持っている上に、現代の流行の発生源であるSNSのヘビーユーザーでもあるので、流行を素早くキャッチできるのだと思います。平成女児が流行していることも、大事なのは「キラキラと透明感」だということも学生たちから教わりました。
アドバイスしたのは、ネットやSNSで調べるだけでなく、現場に足を運ぶこと。実際に売り場を見ると、平成女児のシールはあるけど写真入りはないなとか、シャカシャカアイテムが増えているなとか、さまざまな発見があるからです。
———アイデアを出すだけでなく、その後の企画や製作、テストマーケティング、振り返りにもチャレンジしていますね。そもそも企業と連携した授業にはどんな意味があるのでしょうか?
吉田先生:この授業では、企業と連携しながら“ビジネスの一連の流れ”を実践的に体験することで、自分の考えを言語化する力、チームでの役割分担やスケジュール管理、複数の意見をまとめ上げる力といった社会で求められる実践力を自然と学ぶことができます。
成果物が実際にかたちになるので、「やりきった」という自信にもなるでしょうね。また、学外の方と関わるなかで話し方や姿勢にも変化が見られ、社会とのつながりを実感することで自然と視野が広がっていきます。このような経験を学生のうちにしておくと、社会に出てからの“成長スピード”も違ってくるはずです。
———2026年4月から先生が担当される「社会学部 総合社会学科 ビジネス社会専攻 」についてもお聞きしたいです。ずばり、どんなことが学べるのでしょうか?
吉田先生:社会学と新リーダーシップを基盤に、経済・経営の知識とスキルをバランスよく学び、実践を通じて「社会で生き抜く力」を育てることを目指しています。ビジネスを学ぶなら経済・経営学部では?と思われるかもしれませんが、ビジネスの根幹にある社会の仕組みや人々の行動の解明は社会学の得意分野。学問体系に縛られることなく、新しいビジネスの方法論を柔軟に取り入れることができます。
社会学の基本は、「それって本当?」「なぜ人はそう動くのか?」といった問いを立て、本質を見抜くこと。その実力がつけば、変化の激しい社会においても自ら仮説を立て、新しい視点を見つけられるようになります。また、研究テーマの自由度が高いため、「自分の好き」から社会を深掘りできることも大きな魅力といえますね。
———今回の授業で学生さんたちが取り組んだ内容に通じる部分が多いですね。
吉田先生:今回の産学連携プロジェクトをモデルとし、2027年度からはこのビジネス社会専攻の授業として2年半にわたって継続的に実施する予定です。実践的な学びには失敗もつきものですが、これだけの期間があれば失敗を取り戻すことも十分にできます。
この専攻では、自分たちが見つけた“問い”や“好き”を社会にどう役立てられるか、どんな価値に変えられるかという視点で掘り下げるのがスタンダード。つまり、思考の探究だけで終わらせず、ビジネスや社会の課題解決にどうつなげていくかを考える実践的な学びが軸となります。
具体的には、システム思考・デザイン思考、リーダーシップ、ファシリテーションなど、実社会やビジネススクールで学ぶ実践知ですね。これらの学びを大学生のうちに習得し、大きなアドバンテージをつけて社会へ翔けるよう、全力でサポートしていきたいと考えています。
———力強いメッセージをありがとうございます。流行という身近な社会現象の捉え方から、それをビジネスにつなげる際の秘訣まで、たっぷりと伺うことができました。これから社会学部ビジネス社会専攻で学ぶ学生さんたちの成長を楽しみにしています。
[シーソー]って?
遊びが学びに、学びが遊びに。
いま、あなたの目に映る何か。
あなたの心をどうしようもなく惹きつけている何か。
角度を変えれば、遊びが新しい学びに、学びがとびきりの遊びになる。
私の近くの、私の中の、日常の些細なことが、未来を作る。
[シーソー]は、そのことに気づくきっかけになりたい。
キャンパスマガジン[シーソー]、はじまります。